またまた更新が遅れてしまいました(-_-;)
先に片づけないといけないことが重なりまして、いやはやお恥ずかしい…。
さて、気を取り直して勉強していきます。
前回までの大柴胡湯の話を大まかにまとめると、
・本来は、風邪がなかなか治らず、あるいは間違えて便を下す治療をしてしまい悪化した時に使う。
・その主な症状は、まず小柴胡湯の症状(寒熱往来・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩)→小柴胡湯④でも触れてます。
・それを治そうと、小柴胡湯を飲んでみたけど、治るどころか、嘔吐やみぞおち辺りの苦しさが余計にひどい、胸が暑苦しくてイライラしている
という時に大柴胡湯を使う、という話しでした。
小柴胡湯に身体の中(用語では”陽明”)の熱がキツイのが加わったのが、大柴胡湯ということでいいと思います。
ご多分に漏れず、本来の用法である風邪をこじらせたもの以外にも「証」が合えば使えます。
大柴胡湯①で、発達障害の治療に使ったドクターがいたという話しを書きましたが、おそらくですが
胃腸がそこまで弱くない
イライラしている
どちらかというと便秘傾向
体に中に熱が籠りやすい
という方には、よく効いたのかもしれませんね。
発達障害を抱えている、ということ自体が人よりイライラしたり緊張しっぱなしになる要素なので、そりゃ効くでしょ、とも思いますが、実際に私がその現場を見たわけではないのであまり勝手なことは書かないどきます。
ここまで「身体に熱」というを書きましたが、この「身熱」というのが大柴胡湯がフォローするエリア「陽明病」の特徴なのですが、(陽明病の治療薬、というわけではなく、「少陽病と陽明病を兼ねた状況」を治療する、とされます)
この「身体に熱」=体温が上がっている、というわけではないです。もちろん発熱している時だってあるでしょうけど。
自覚的に病的な熱さを感じる、また治療者が胸腹部に触れてじわじわと湧いてくるような熱感を感じる、といった人間の感覚で知覚できる熱を指すので、たとえ体温計では平熱でも大柴胡湯を使うケース、というのは普通にあると思います。
もちろん、鍼でも「身体の熱を冷ます」ということはよくやります。
東洋医学のバイブル、『黄帝内経・素問』では「刺熱論」といって熱病を鍼で治すことについて詳しく述べた篇があるくらいです。
風邪や伝染病でなくても、「熱」によって慢性的に病む人は多く、その症状は非常に多岐に亘ります。
その中で、大柴胡湯の考え方は、例えば「イライラ・ストレス」からくる熱が「胃腸の熱(食べ過ぎ??)」と結びついた様な患者さんを治療するときに学ぶところが多いです。
(書き忘れましたが、大柴胡湯も熱を取ってくれる「陽明」のエリアは、大雑把にいうなら「胃腸」を中心としたお腹近辺です。)
次回は、ちょっと話が飛びますが、なぜか私の友人・家族で服用されてる方が多い、麦門冬湯について勉強していきたいと思います。