当院の理念

鍼灸の歴史は古く、鍼灸が医学として体系化されたのはおよそ2500年前の古代中国であったとされます。

日本には６世紀頃、仏教とともに伝えられたとされ、以来、日本人の体質に合わせた繊細な鍼灸が発達してきました。

特にストレス社会と呼ばれて久しい現代社会においては、働き過ぎ・神経の使い過ぎによって心と身体を病んでしまう方が非常に多くなりました。

また肉体労働をあまりしなくなった代わりに、頭脳労働を長時間するようになった事もあり、身体はとても繊細で敏感になっています。　

当院で使われる鍼は髪の毛程度の太さ（直径０．１～０．２ｍｍ）で、刺入するのは選び抜いたツボ１ヵ所のみ。多くても３ヵ所までに厳選します。

また小さなお子様や敏感な方には、刺さない鍼も使う事があります。

必要最小限の治療で最大限の効果を引き出す、ヒトに優しい医学です。

治療に当たっては、徹頭徹尾、東洋医学の考え方に基づいて行います。

東洋医学の基本的な考え方として、病気はヒトの身体と心でアンバランス が生じて起こるものと考えます。

（例えば、力み過ぎ・疲れ過ぎ・考え過ぎ、病気・怪我の後の姿勢の不良など） 

いかなるヒトであれ、心身に不調を来していれば、必ずこのアンバランスが体表に表れてきますので「原因が判らないから治療法がない」といった事がほとんどありません。例え病院で病名が付かなかった不調であっても治療が可能です。

鍼灸でヒトの中のバランスを整える事が出来れば、自ずと身体と心は癒えてくると考えられています。

そしてこの身体と心のアンバランスが、なぜ・どこで・どのように起こっているのかは、人それぞれに違う為（同じ病気・症状でも一人一人違います！）、不調の原因を明らかにするためには、詳細な問診と丁寧な診察が必要不可欠となります。

その為、初めての患者様は特に問診・診察に時間が掛かってしまいますが、患者様の心身を根本から治すための重要なプロセスになりますので、どうかご理解いただきますようお願いします。

問診とお身体の診察と治療が終わりましたら、現在の身体の状況をご説明させて頂きます。

そして一日も早く、つらい症状を改善する為に必要な「養生法」を、治療の最後に提案させて頂きます。

食生活や嗜好品、運動の習慣、内面的な心がけなど、生活全般を東洋医学の視点から見直し、控えて頂く事、積極的に取り入れた方が良いことをお話しします。

これから何か健康法を始めようとお考えの方は遠慮なくご相談ください。

（巷で健康に良いと言われるものでも、東洋医学の視点から診察すると、人によっては「合っていない」ものもあります。）