漢方と鍼灸24 桂枝茯苓丸②

さて続き。

 

桂枝茯苓丸の出典『金匱要略』の原文のアタマを見ました。

 

”婦人宿有癥病、”

 

もともと病理産物である瘀血(≒血の塊みたいなもん)を抱えた”癥病”のご婦人がございまして、と始まりました。

 

つづきです。

 

“婦人宿有癥病、

経断末及三月、而得漏下不止、胎動在臍上者、為癥痼害、

妊娠六月動者、前三月経水利時、胎也。

下血者、後断三月衃也。所以血不止者、其癥不去故也。当下其癥、桂枝茯苓丸主之。“

 

 

”経断末及三月、”

「経断ちて三月に及ばずして、」

=生理が止まって3ヶ月も経たぬうちに、

 

”而得漏下不止、”

「漏下を得て止まず、」

※漏下=子宮出血のこと。

=出血が止まらない、

 

”胎動在臍上者、”

「胎動臍上に在る者は、」

=胎動が臍の上に在るものは、

 

”為癥痼害”

癥痼害すと為す」

=癥痼(ちょうこ)の害と呼ぶ。

 

 

もともと”癥病”、お腹に血の塊のような腫物を抱えたご婦人が、

(妊娠して)月経が停止して3か月経たないうちに、出血して止まらない、しかもお腹に胎動らしきものがある、

こんな状況だと、”癥痼の害”といって、腫物がある所へ妊娠したために問題が起こっているよ、

ということだそうです。

 

ほんの少し時代が下った頃に書かれた『脈經』(王叔和(3世紀))の桂枝茯苓丸の条文では、

”婦人妊娠、経断三月、而得漏下、下血四十日不止、胎欲動、在于臍上、此爲癥痼害。”

と、「妊娠して月経が止まって3か月」「出血は40日止まらない」、、、と具体的に書かれています。

 

妊娠3か月未満で出血が止まらないって、現代でいうところの早期流産が含まれるのかな??

何とも言えませんが、こんな早くに胎動を感じるのは胎動とは考えにくいですし、出血も止まらないなんて、やはり問題です。

(※妊娠初期に軽く出血することは、正常な妊娠でも割によくあるそうですが、ここでは「止まらない」と書いてるので、やはり病的状況と思われます。現代で、出血してなかなか止まらない時は、産婦人科の先生にみてもらいましょう。)

 

 

「癥痼」という言葉ですが、癥瘕(≒瘀血の積もったもの)の「癥」に「痼(こ)」が付いてます。

 

「痼」の字は、”ながやみ”といって、長らく患っている病気。固まってしまった持病、という意味があります(藤堂明保『漢和大辞典』)。

「痼疾(こしつ)」と書いて、「長い間患ってなかなか治らない病気」「こりかたまって直らないクセ」という意味もあることから、「癥瘕」が「痼」しているのだから、昨日今日ではない瘀血の停滞による病気と想像がつきます。

 

 

ここまでで、桂枝伏苓丸は

「癥病」

→「癥瘕を抱えた病」

→「癥瘕とはイライラや飲み食いが過ぎて血が滞り”瘀血”が蓄積したもの」

→さても、こやつをどうにかしてくれん、、、

というのが桂枝茯苓丸のお考えであろうか、というとこまで見えてきますね。

 

 

つづきます。m(_ _)m

 

 

(参考文献)

金匱要略解説(東洋学術出版社)

学研漢和大辞典(藤堂明保)

漢方用語大辞典(創医会学術部)

中医基本用語辞典(東洋学術出版社)

金匱要略述義(原著:多紀元堅(1795--1857))

脈經(原著:王叔和(3世紀))

すべてがわかる妊娠と出産の本(竹内正人)     

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