抗凝固薬(ワルファリンKなど)を服用中の患者さまへ

循環器系や脳血管の疾患をお抱えの方は、抗凝固薬(血液を固まりにくくするお薬。ワルファリンカリウムなど)の服用を余儀なくされている方も多く、そうした方にとって「鍼って大丈夫? 大出血とかしない?」というご心配は至極ごもっともなことです。

 

私も直近の研究がどうなっているのか気になりまして、改めて調べ直してみましたところ、抗凝固薬・抗血小板薬を服用されている方に対して鍼灸治療を行なったために大出血などの医療事故が発生した、という事案は、今のところ日本を含めた世界でも報告されていないようです。
(どなたかもし見つけられたらぜひ教えて下さいm(_ _)m)

 

森ノ宮医療大学のホームページに調査報告が載っていましたのでリンクを張らせて頂きましたが、通常通りの刺鍼で重大な出血事故が発生したという事案はなく、報告されている事故はそもそも刺鍼自体が御粗末だったために起こった事故(つまり服用如何に関係なく生じていた医療事故。もちろんこんなこと起こしてはいけません)で、ワルファリンなどを服用しているから鍼灸が危険とは言えないようです。

 

もともと鍼灸治療用の鍼は、髪の毛程度の太さであり、その程度の鍼が肌肉を通過しても、引き抜いた瞬間にその隙間は周りの肉に押しやられて締まってしまうため、普通は出血を起こすほどの血管が傷つくようなことはありません。
(ただし、”ツボの反応として出血するべくして出血する”ということはあります。しかしこれもすぐに止まることがほとんどです。)

 

また刺鍼後に内出血痕(いわゆる”青アザ”)が発生する事案は抗凝固薬を服用していなくてもしばしば報告される事案ですが、これも粗暴な刺鍼をしないことで、概ね防げる事象であり、また万が一発生しても直接健康を損ねるような心配はなく、時間の経過とともに消失していく場合がほとんどです(もちろんこんなことは起こさないように最大限注意するのが当然です)。

 

 

しかしながら、理屈ではわかっていても心配なものは心配なのが人間です。

これは恥ずかしいことでもなんでもありません。

 

お身体の状態によっては、「どうしても刺鍼しないとむずかしいなぁ」とご説明させて頂くこともありますが、どうしても不安な方は「刺さない鍼(当院では打鍼・古代鍼と呼びます)」や「直に載せないお灸(温灸や棒灸と呼ばれます)」にて対応しております。

 

その他、ご心配なことがありましたら遠慮なくご相談くださいませ。

 

以下、森ノ宮医療大学のリンク

https://mumsaic.jp/info/index.php?c=topics2_view&pk=1423483676

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